投資家必見!!バランスシートの分析方法!!

・バランスシートって何?

・バランスシートをどうやって投資に応用するの?

・どうやってバランスシートを分析するの?

 

こういった疑問にお答えします。

 

【記事の信頼性】

記事を書いてる僕は、総額500万円運用しています。
投資をするために10冊以上の本を読んで勉強してきました。
今では、株式投資、仮想通貨、FXなど多種多様な資産運用をしています。

 

 

バランスシートの基本知識

バランスシートとは?

企業の財務状況を把握するための資料で、正式には「貸借対照表」と呼ばれます。企業の資産や負債、資本などの3つの部分から成立しています。

 

バランスシート分析でわかること

バランスシート分析をすることで、企業の安定性を把握することができます。
安定性の高い企業は支払い能力が高く倒産しにくいのが特徴です。
株式投資にバランスシート分析を取り入れることで、財務的に健全な企業に投資することができるようになります。

 

バランスシート分析のやり方

バランスシート分析には以下の指標を使うことができます。

流動比率

流動比率は、企業の短期的な財務健全性を評価するための重要な指標です。流動資産が流動負債に対してどの程度カバーできるかを示し、計算式は以下の通りです。

流動比率=流動資産流動負債×100

理想的には流動比率が200%以上であることが望ましいとされていますが、必ずしも高ければ良いというわけではありません。200%を超えると、企業が短期的な負債を十分にカバーできることを示しますが、資産を有効に使っていない可能性もあります。

一方、短期的な資金繰りに焦点を当てる場合は、120%程度が現実的な目安とされます。これは、流動資産が流動負債を確実に超えているため、企業は短期的な債務の支払いを行う余裕があることを示します。

要するに、流動比率が高すぎる場合は資金の使い道に問題がある可能性があり、低すぎる場合は債務の支払い能力に懸念が生じる可能性があります。企業の状況に応じた適切なバランスが必要です。

当座比率

当座比率は、企業の短期的な支払能力をより厳密に評価するための指標であり、流動比率よりもさらに保守的な視点から分析を行います。当座比率の計算式は以下の通りです。

当座比率=当座資産流動負債×100

当座資産には、現金預金や売掛金など、すぐに現金化できる資産が含まれ、棚卸資産やその他の現金化に時間がかかる可能性のある資産は除外されます。これにより、より確実に現金に変換できる資産のみを基に、企業が流動負債をどの程度カバーできるかを示します。

当座比率120%以上であることが、短期的な支払能力が高いと評価される基準となっています。これは、企業が棚卸資産に依存せず、流動負債を即時に支払える能力が十分であることを示しています。一方、当座比率が低すぎる場合は、短期的な資金繰りに懸念が生じる可能性があります。

総じて、当座比率流動比率よりも厳しい基準を設けており、特に短期間で支払いを行う際の能力を測るために有用です。

 

手元流動性比率

手元流動性比率は、企業の短期的な資金繰りや運営の安定性を評価するための指標です。この比率は、すぐに現金化できる資産(現金、預金、短期有価証券など)が、月間売上高に対してどれだけの割合を占めるかを示します。

手元流動性比率の計算式は次の通りです。

手元流動性比率=手元流動資産月間売上高×100

この比率は、企業が売上代金を回収するまでの間、手元の現金や流動性の高い資産によって、どれだけ運営を継続できるかを測る指標です。特に現金短期有価証券といった即座に使用可能な資金が含まれるため、短期的な資金繰りの安定性を示します。

たとえば、手元流動性比率が高ければ、売上が一時的に減少した場合でも、企業が手元の資金で支出を賄い、短期間での資金不足に対処できることを意味します。逆に比率が低い場合、すぐに現金化できる資産が少ないため、資金繰りに不安が生じやすくなります。

この指標は、特に短期間での資金調達が難しい状況や不確実な経済環境において、企業の健全性を判断する上で重要です。

 

固定比率

固定比率は、企業の自己資本固定資産のバランスを評価する指標であり、企業の長期的な経営の安定性を測るために重要です。固定比率は以下の計算式で求められます。

固定比率=固定資産自己資本×100\text{固定比率} = \frac{\text{固定資産}}{\text{自己資本}} \times 100固定資産には、土地、建物、設備などの長期的に使用される資産が含まれ、これらは通常、投資した資本を回収するまでに時間がかかります。そのため、固定資産を自己資本で賄うことができれば、安定した財務基盤を維持しやすくなります。なぜなら、自己資本であれば返済の必要がないため、借入金で固定資産を購入する場合に比べて、経営にかかるリスクが低くなるからです。

固定比率が100%を下回っている場合、企業は自己資本によって固定資産を十分にカバーできていることを示し、長期的な安定性があると判断されます。逆に、固定比率が100%を超えると、自己資本以上に固定資産を保有していることになり、借入金などの他人資本に依存している可能性が高くなり、財務上のリスクが増す可能性があります。

この指標を使うことで、企業が自己資本に依存して長期的な投資を賄えているか、または他人資本に過度に依存していないかを確認できます。

 

固定長期適合率

固定負債自己資本の合計額に対する固定資産の割合を示す指標は「長期適合率」と呼ばれ、固定資産の投資が短期的な資金で賄われていないか、すなわち長期的な資金(自己資本固定負債)でしっかりと対応できているかを確認するための指標です。長期適合率を使うことで、企業の資金繰りや投資の健全性を評価できます。

長期適合率の計算式は以下の通りです。

長期適合率=固定資産自己資本 + 固定負債×100\text{長期適合率} = \frac{\text{固定資産}}{\text{自己資本 + 固定負債}} \times 100自己資本は返済義務がないため、安定的な財源です。一方、固定負債は長期間の返済義務があるものの、短期的な返済リスクは少ないため、固定資産のように回収に時間がかかる投資に対して適した資金源とされています。

長期適合率を見ることで、企業が固定資産の投資を短期的な借入金などの流動負債で賄っていないか、つまり資金ショートのリスクを回避できているかどうかを確認できます。

長期適合率が100%以下であれば、企業は自己資本固定負債(長期資金)で固定資産を賄えており、健全な状態と判断されます。逆に、100%を超える場合、短期的な負債を固定資産に投入している可能性があり、資金繰りの悪化や資金ショートのリスクが高まる懸念があります。

この指標を通じて、企業が長期的な資金計画に基づいて固定資産に投資しているかどうか、そしてその投資が安定しているかを確認することができます。

 

負債比率

負債比率は、企業の資金調達において”他人資本(負債)”がどれだけ自己資本に対して占めているかを示す指標です。この指標を使うことで、企業がどの程度、外部からの借入金に依存しているか、または自己資本によってどれだけ負債をカバーできるかを確認することができます。

負債比率の計算式は以下の通りです。

負債比率=負債自己資本×100

負債比率が低ければ、企業は自己資本で負債をしっかりと賄えており、財務の健全性が高いと評価されます。逆に、負債比率が高い場合、企業が外部からの借入れに多く依存していることを示し、返済リスクが高まる可能性があります。

負債比率が高いとリスクが増す理由は、利息の支払いなどが重くのしかかり、経済状況の変動や業績悪化により返済が困難になる可能性があるからです。特に、不況時には高い負債比率を持つ企業は資金繰りが苦しくなるリスクが高まります。

しかし、負債比率が低ければ必ずしも良いというわけではありません。自己資本だけで運営する場合、企業の成長速度が制限され、資金調達が不足することで新たな投資機会を逃す可能性があります。負債を適切に利用することは、企業の成長や拡大に貢献するため、業界の特性や企業の成長戦略を考慮して判断することが重要です。

たとえば、成長が期待される業界では、ある程度の負債を活用して積極的な投資を行うことが必要な場合もあります。企業ごとに適切なバランスが求められるため、単に負債比率が低いか高いかだけでなく、企業の経営状況や業界特性に応じて慎重に評価することが重要です。

 

自己資本比率

自己資本比率は、企業の財務健全性を評価するための重要な指標で、企業がどの程度自己資本によって資金を調達しているかを示します。この指標を確認することで、企業がどれだけ自力で資金を賄っているかを把握し、財務上の安全性を判断できます。

自己資本比率の計算式は以下の通りです。

自己資本比率=自己資本総資本×100

総資本とは、自己資本と負債(他人資本)を合わせたものです。自己資本比率が高いほど、企業は借入金に頼らず、自前の資本で経営を行っていることを意味し、財務的に安定していると評価されます。

自己資本比率が高い方が安全性が高いとされる理由は、自己資本には返済の義務がなく、企業が外部からの借入れに頼る割合が低いためです。これにより、経済状況の変動や金利上昇などの外部要因に対して柔軟に対応でき、破綻のリスクも低くなります。

しかし、自己資本比率が高ければ高いほど良いわけではなく、バランスが重要です。自己資本だけに依存していると、企業が新たな投資や成長機会を逃す可能性があります。外部からの借入れを活用することで、成長を加速させることも可能です。

そのため、企業の成長段階や業界の特性を考慮した上で、適切な自己資本比率を判断することが重要です。たとえば、安定した成熟企業は自己資本比率が高い方が望ましい一方で、成長企業ではある程度の負債を活用して投資を進めることも有効な戦略となります。

総括すると自己資本比率は企業の安全性を測る重要な指標ですが、負債比率と同様、企業の状況や業界特性に応じて、バランスの取れた資本構成が求められます。